2019年9月30日月曜日

9月30日はクルミの日

9月30日は 「クルミの日」だそうです。

「く(9)るみ(3)はまるい(0)」のごろ合わせです。

クルミの生産量で日本一の長野県は東御市(とうみし)などのクルミ愛好家が制定したとのこと。
ちょうどクルミの収穫時期とも重なっています。

この東御市は「2004年(平成16年)4月1日に小県郡東部町と北佐久郡北御牧村が合併して発足」しました。(*1)
「とうみくるみ」(=シナノグルミ)で知られ、クルミの生産量日本一です。
「日本一のくるみの里」と呼ばれていて、市の木も「クルミ」です。

ところで日本のクルミの生産量ってどれくらいなんでしょう。

こちらのサイト(*2)によると、日本のクルミ市場は、輸入クルミが11,429トン
一方の国産クルミは166.8トン(1.44%)しかありません(2013年調査)。

長野県東御市産のクルミは国産クルミの30%を占めているので、166.8×0.3=50.04トン(0.432%)。
これには「オニグルミ」や「ヒメグルミ」も含まれていて、「シナノグルミ」はさらに少ないようです。

ちなみに以前の記事で調べたように、
「シナノグルミ」=「ペルシャグルミとカシグルミの交雑種」で、「カシグルミ」は「テウチグルミ」=「ペルシャググルミ」の変種であり、「シナノグルミ」は「ペルシャグルミとカシグルミの接ぎ木によって品種改良され、現在では国産高級くるみとして評判」ということでした。
 
で、東御市で取れる「シナノグルミ」が「とうみくるみ」として知られているということのようです。

さらにまた同サイトの情報ですが、なぜ東御市はクルミの生産量が多いのかというと、
1.水はけのいい、南向きの傾斜面が多い。
2.昼と夜の寒暖差が大きい。
3.年間の降水量が少ない。
4.日照時間が長い。
という条件が揃っているからだそうです。

こちらのサイト(*3)によれば、明治期中期に軽井沢に来た外国人によって東御市に海外のクルミが持ち込まれ、国内のクルミと交雑されて「シナノグルミ」になったようです。

この「とうみくるみ」は地元のスーパーにも売っておらず、道の駅や直売店でしか手に入らないそうです。

味は他のクルミと比べてクリーミーで香ばしいとのこと。
現地に行く機会があればぜひ食べてみたいです。

〔引用・参考文献〕
*1) Wikipedia. 「東御市」
   https://ja.wikipedia.org/wiki/東御市
*2) 農家直売ドットコム(2018). 生産量日本一の“国産とうみくるみ”。でも、なぜ200人に1人しか食べられないの?. (2018年1月4日付)
   https://www.e-noson.com/user_data/blog_detail?p=3437
*3) 道の駅 雷電. 「信濃くるみ」.
  http://raidenkurumi.jp/publics/index/53/ 

2019年9月28日土曜日

日米貿易協定におけるクルミの関税削減

先日(2019年9月25日)ニューヨークで行われた安倍首相とトランプ大統領の首脳会談は、日米貿易協定の締結で最終合意がなされました。
これにより、日本は米国産農産物の関税を撤廃・削減することになりました(*1)。

このうち、アメリカから日本に輸出されるクルミの関税も削減されることになり、
カリフォルニアのクルミ生産者はこれを歓迎しているそうです(*2)
剥きクルミにかかっていた10%の関税は即時撤廃されます。

カリフォルニア産のクルミは総出荷量の6%を日本が占めており、
過去5年間で44%も増加しているとのことですから、
関税が撤廃されればさらに日本は多くのクルミを輸入するようになるでしょう。

日本の消費者にとってはクルミを使った食品が安くなるのでうれしいニュースですが、
国内のクルミ生産者は困るのではないかと思われます。

日本のクルミの輸入量や国内生産量についてさらに調べてみたいと思います。

〔引用・参考文献〕
*1) 日経新聞(電子版)(2019). 日米貿易協定締結で合意 両首脳、共同声明に署名(2019年9月25日付).
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50183600V20C19A9MM8000/
*2) カリフォルニアくるみ協会(2019). 日米貿易協定における関税削減について.
https://www.californiakurumi.jp/news/日米貿易協定における関税削減について

2019年9月26日木曜日

くるみパン・オブ・ザ・イヤー

現在私がいる会社「株式会社ノーチェ」の「ノーチェ」とは、
イタリア語で「クルミ」を意味しています。

この社名になる以前から、私は下の写真のよくクルミのパンを食べています。


ファミリーマートで売っている「くるみ引き立つ優しい甘さ もちもちくるみパン」です。
(神戸屋、税込118円)

私は2週間に1個くらいのペースで朝食に買って食べています。
その名の通り、すごくもちもちしていておいしいです。

パッケージ には「くるみパン・オブ・ザ・イヤー 2015殿堂入り」とあります。

「くるみパン・オブ・ザ・イヤー」というのは、「カリフォルニアくるみ協会」が毎年開催している、くるみのパンの人気投票コンテストです。

こちらのサイトから、自分のお気に入りのくるみパンの写真を投稿したり、投票したりできます。
https://www.californiakurumi.jp/kurumipan/2019


私もさきほど早速、もちもちくるみパンに投票してきました。
もう殿堂入りを果たしているので投票するまでもなさそうですが。

コンテストは予備選が2019年9月30日(月)まで。
決戦投票が2019年10月18日(金)~11月15日(金)。
結果発表は2019年12月3日(火)とのことです。

写真を投票してコンテストで選ばれると賞品がもらえます。
「グランプリ」、「金賞」、「優秀賞」、「かしこいくるみパン賞」を受賞したくるみパンを写真投稿した方の中から、得票数の多い方に、商品券1万円分を4名様に。

また、各賞を受賞されたパンを製造又は販売している店舗・企業には、カリフォルニア くるみ協会より表彰状と賞金、グランプリにはさらに盾を贈呈いたします。

いろいろなクルミパンの写真が投稿されていて興味深いです。
どこのお店でおいくらで買えるかも載っているので、食べたいパンを探すのも楽しそうですね。

〔引用・参考文献〕
カリフォルニアくるみ協会(2019).「くるみパン・オブ・ザ・イヤー」
 https://www.californiakurumi.jp/kurumipan/2019
 https://www.californiakurumi.jp/kurumipan

2019年9月23日月曜日

ニホンリスの話

日経新聞の朝刊に動物学者の今泉忠明さんによるコラムが載っていました。

タイトルは「ニホンリスとサワグルミ」。

裏高尾の日影沢と呼ばれる渓流の脇に大きなサワグルミの木があり、枝の上でニホンリスがたわわに実ったクルミをかじっているのを見ます。

この裏高尾から10kmしか離れていない東京・あきる野市で、2011年、タイワンリスの棲息が確認されたそうです。
「タイワンリスはもともとは台湾や中国南部から東南アジアにかけて広く棲んでいる」のですが、体が大きく適応力が高いそうです。
今泉さんは「世界でも本州・四国・九州にしかいない固有種のニホンリスが追いまくられるかもしれない。またしても外来種問題、である。」とニホンリスの行く末を案じておられます。

Wikipediaを見ると、ニホンリスは九州地方では絶滅したらしいことが書いてあります。
中郷地方でも開発などによる生息地の減少に伴い、生息数が激減しているらしいです。

環境省が作成している「哺乳類レッドリスト」にもニホンリスが入っています。

日本のリスについてこれまでまったく興味をもったことがなかったのですが、リスについても調べてみたくなりました。

〔引用・参考文献〕
・今泉忠明(2019). 「ニホンリスとサワグルミ」. あすへの話題. 日経新聞.(2019年9月20日付朝刊)

2019年9月13日金曜日

クルミ科の種類(後編)

クルミ科の種類の勉強の続きです。

⑧ノグルミ

  • 学名:Platycarya strobilacea
  • 分布:日本(伊豆半島以西)、挑戦、台湾、中国
  • 果実:とげとげしていて、松かさに似ている。実も食べられない。
  • その他:枝と葉っぱは魚毒となる。
  • 別名:ノブノキともいう。
こちらのサイト(*1)にノグルミの果実の写真が載っていますが、クルミとは思えないトゲトゲした果実です。

このトゲトゲした実をドライフラワーのようにして装飾に用いられることも増えているとか。
そういえば雑貨屋さんでそんな松ぼっくりみたいなのを見た記憶があるかも。

材は燃やすと沈香(東南アジアに分布する香木)に似た香りがあり、蚊取り線香のような使い方ができる。

と書かれています。虫除けになるのかな? 興味深いです。

図鑑(*2)によれば、中国名で「化香樹」とありますので、いい香りなのかもしれません。


⑨コーカサスサワグルミ(Caucasian Wingnut)

  • 学名:Platycarya fraxinifolia
  • 分布:コーカサス東部、イラン北部

こちらのサイト(*3)によれば、ヨーロッパでは公園によく植えられている木だそうです。

また、こちらのサイト(*4)によれば、英語名の「Wingnut」は種子のかたちが「蝶ナット」(Wingnut)に似ているためとのこと。

ただ画像は見つけられませんでした。
また、種子が食べられるのかどうか、手元の資料とネットだけでは分かりませんでした。


⑩レーダーサワグルミ

  • 学名:Platycarya × rehderiana
  • 分布:栽培起源。
図鑑(*2)には、コーカサスサワグルミシナサワグルミ(後述)の雑種で、ボストン市にあるハーバード大学アーノルド樹木園で育成されたそうです。

これも種子を食べられるかどうかよくわかりません。


⑪サワグルミ(Japanese Wingnut)

  • 学名:Pterocarya rhoifolia
  • 分布:日本各地 ※東北地方に特に多い(*5)
  • 別名:カワグルミ、フジグルミ
  • 果実:種子は食用にならない
  • その他:葉っぱは冬になると鱗状のヶのある葉芽になる
        こちらに冬の芽の写真あり(*5)
Wikipediaによると、
日陰で湿った土地でも生育し、高木となるため、荒廃地を復旧するため治山用の植樹にも用いられる。
役に立つ木ですね。

湿地を好むので「サワ」グルミと名付けられたようです。

でも種子は食べられないんだ。
食べられないクルミ科の植物は多いんですね〜。
むしろ食べられる方が種類は少ないのかな。


⑫シナサワグルミ

  • 学名:Pterocarya stenoptera
  • 分布:中国中・北部(日本では明治初期に渡来)
  • 別名:カンポウフウ、カンベイジュ 
公園の木としてよく使われているそうです。
これも種子を食べられるのかどうかよくわかりません。
事典(*6)にも、そういうことは書かれていません。
食べられるかどうか、っていう視点も結構大事だと思うんですけどね。


・・・というわけで、長々とクルミ科の木の種類を12種類ほど取り上げ、ざっと調べました。

種子が食べられるのかどうか、また、材木の利用のされ方など、まだ知らないことが多いですが、ざっとクルミ科ってこういう植物なんだ、ということが大雑把にでも分かっただけでもよしとします。

公園に植えられていることが多いクルミ科もあるようなので、今度公園に行ったら調べてみたいです。

Grazie!

〔主な引用・参考文献〕
*1) 庭木図鑑 植木ペディア. ノグルミ(野胡桃).
*2) アレン・コーンビス(1994). 浜谷稔夫(訳). 完璧版 木の写真図鑑―オールカラー世界の高木500. 日本ヴォーグ社.
*3) 木々の移ろい. コーカサスサワグルミ (2003.9.4).
*4) 草花と樹木のデジタル植物園 "Botanic Garden". コーカサスさわぐるみ (コーカサス沢胡桃).
 *5) 庭木図鑑 植木ペディア. サワグルミ(沢胡桃).
 *6) 佐竹義輔他編(1999). 日本の野生植物 新装版 木本I. 平凡社.

2019年9月11日水曜日

クルミ科の種類(中編)

ひきつづき、クルミ科の種類を図鑑(*1)をもとに勉強します。

⑥クロクルミ(Black Walnut)

  • 学名:Juglans nigra
  • 分布:アメリカ中・東部
  • 果実:あまり食用にはされない
  • その他:木材として貴重
こちらのサイト(*2)によれば、種子を食用にされることはあまりないけれど、木材として重宝されるそうです。
また、興味深いクロクルミの戦略について説明があります。
クロクルミは、ナフトキノール配糖体を葉に含み、これが落ち葉となって木の下に敷き詰められると、分解されてjugloneとなり、他の植物の発芽を抑制する。このようにして、自らの樹下の栄養分を確保するという戦略をとっている。
クルミ属の木(Juglans)には一般的にjuglone前駆体が含まれるが、クロクルミは特にその量が多い。このような植物の戦略はアレオパシー(allelopathy)と呼ばれている。(「木々の移ろい」より引用。下線部引用者)
このような戦略を取っているなんて知りませんでした。
とても勉強になります。

こちらのサイト(*3)では、クロクルミがサプリメントになっています。
クログルミ、ビタミンB6、E、Kならびにチアミン(リボフラビンと葉酸)が豊富に含まれて」いるそうです。


⑦ペルシャグルミ(Walnut)

  • 学名:Juglans regia
  • 分布:アジア西部からヨーロッパ南東部にかけて
  • 果実:種子は食べられる
  • その他:セイヨウグルミ(English walnut)とも呼ばれる
前編で、「カシグルミ」とはこの「ペルシャグルミ」のことではないかと書いていましたが、やはりそのようです。
こちらのサイト(*4)によれば、「果樹園芸大百科16」では、「カシグルミ」は「ペルシャグルミ」の俗称とのことです。

・・・と思ったのですが、こちらのサイト(*5)では、長野県で栽培されている「シナノグルミ」という品種が、「ペルシャグルミカシグルミの接ぎ木によって品種改良され、現在では国産高級くるみとして評判」と説明されています。

あれ? ということは、「カシグルミ」と「ペルシャグルミ」は別物ということになるでしょうか。

そこでWikipediaの「シナノグルミ」の項を見てみますと、「ペルシャグルミテウチグルミが自然交雑してできたとされている」と書かれています。

「テウチグルミ」? また新しい名前が出てきました。

そこでまたこちらのサイト(*6)で 「テウチグルミ」を調べますと、「テウチグルミ」「カシグルミ」の別名 だそうです。
ということは、やはり「シナノグルミ」「ペルシャグルミ」「カシグルミ」の交雑種であることで良いようです。
しかし、「ペルシャグルミ」「カシグルミ」が 同じものなのか違うものなのか、疑問は残ったままです。

もう一度こちらのサイト(*4)を読み直すと、テウチグルミ(カシグルミ)ペルシャグルミの変種」であると説明がありました。

やっと解決しました。こちらのサイトは実に分かりやすく整理してあり勉強になります。

整理しますと、
  • カシグルミ = テウチグルミ = ペルシャググルミの変種
  • シナノグルミ = ペルシャグルミとカシグルミの交雑種
・・・という理解ということになりそうです。
方程式でも説いているような気分です。

今回はクルミの木の種類について調べていますが、食用としてのクルミの種類については、また別の機会に改めて整理できればと思います。

Grazie!

〔主な引用・参考文献〕
*1) アレン・コーンビス(1994). 浜谷稔夫(訳). 完璧版 木の写真図鑑―オールカラー世界の高木500. 日本ヴォーグ社.
*2)木々の移ろい. クロクルミ-黒胡桃 (2003.5.22).
*3)iHerb.com.「クロクルミ」.
*4)クルミいろいろ何やら名前がややこしい.
*5)長野県東御市で育つクルミの種類.
*6)GKZ植物事典. 「テウチグルミ」.

クルミ科の種類(前編)

今日はクルミ科の種類について勉強します。

以前の記事で書いたようにクルミ科には約60種があるそうです。
今回は図鑑(*1)にある以下の12種類について取り上げます。

① ビターナット ②ペカン ③ヒッコリー ④オニグルミ 
⑤バタークルミ ⑥クロクルミ ⑦ペルシャグルミ ⑧ノグルミ
⑨コーカサスサワグルミ ⑩レーダーサワグルミ ⑪サワグルミ ⑫シナサワグルミ

①ビターナット(Bitter Nut)

  • 学名:Carya cordiformis
  • 分布:北アメリカ東部
  • 果実:苦くて食べられない。

なんと! クルミの実は全部食べられるものと思っていましたが、
食べられない種類もあるんですね。知りませんでした。

こちらのブログ(木がスキかも)を拝見すると、ビターナットはヒッコリーという木材として使われるようです。


②ペカン(Pecan)

  • 学名:Carya illinoinensis
  • 分布:北アメリカ南部の暖地(日本には大正時代にもたらされた)
  • 果実:美味で食用
  • 樹高:30〜50m
ブリタニカ国際大百科事典によると、ペカンはピーカンとも呼ばれているそうです。
図鑑には「果実は美味」とありますが、これは実(外果皮)の部分のことではなく、クルミの種子の部分のことのようです。

種子は脂肪分が70%もあり、 北アメリカで好まれていて、最近は日本にも輸入されているとか。

このペカンも木材としてはヒッコリーと呼ばれています。

ヒッコリーと呼ばれる木材は、どうやら学名が「Caryaなんちゃら」のクルミ科の木材の総称のようです。
スキー板などに使われていたそうです。

木の高さは50mにもなるとか。ものすごい高さですね。


③ヒッコリー((Shagbark) Hickory)

  • 学名:Carya ovata
  • 分布:北アメリカ東部(日本でも各地に植えられている)
  • 果実:美味で食べられる
 Shagbarkとは、樹皮が垂れるほど剥がれるところから、shagbark(皮の毛羽立った)という意味がつけられたそうです。

これも種子は食べられます。


④オニグルミ (Japanese Walnut)

  • 学名:Juglans ailantifolia
  • 分布:日本各地
  • 果実:食べられる
  • その他:短い粘る毛が外果皮を被っている。若い芽や花柄を茹でて食べる
オニグルミは日本に広く分布している、私たちに最も身近なクルミ科の植物です。
事典(*2)によると、北海道、本州、四国、九州の川沿いの湿気の多いところに生えるとのこと。

この近種に「ヒメグルミ」があります。

「オニグルミ」「ヒメグルミ」 も種子は食用にされますが、日本でふつうにクルミとして食べられているのは「カシグルミ」(Juglans regia)という品種だそうで、これは長野県でも盛んに栽培されているそうです。
この「カシグルミ」は次回以降取り上げる「ペルシャグルミ」と同じかと思われます。

オニグルミの芽や花柄は茹でて食べられるというのも驚きです。

学名に「folia(狂気)」という文字が入っているのが気になります。
漢字も「鬼胡桃」だし、何かわけがありそう。何かわけがあるのかも…。
 今後調べてみますね。


⑤バタークルミ (Butternut)

  • 学名:Juglans cinerea
  • 分布:北アメリカ東部
  • 果実:美味
  • 和名:シログルミ、英語の別名:White walnut
「バタークルミ」という言葉で検索してもほとんどでてきません。

英語のWikipediaには「Juglans cinerea」の項として説明されています。
通常はButternutやWhite walnutと呼ばれているそうです。

「White walnut」と呼ばれるのは、樹皮が灰色で、断面が白いからのようです(*3)

19世紀中頃にアメリカ南部から南部イリノイ州や南部インディアナ州に移り住んだ人たちの中には、この木で染めた服を着ていたことから、「butternuts」と呼ばれていたそうです。

長くなりましたので今日はこの辺で。

次回また続きを勉強していきたいと思います。

Grazie!

〔主な引用・参考文献〕
*1) アレン・コーンビス(1994). 浜谷稔夫(訳). 完璧版 木の写真図鑑―オールカラー世界の高木500. 日本ヴォーグ社.
*2) 佐竹義輔他編(1999). 日本の野生植物 新装版 木本I. 平凡社.
*3) THE WOOD DATABASE. butternut.

2019年9月8日日曜日

イタリア語のnoce(クルミ)について追記

以前の記事で、 クルミ(noce)はイタリア語で女性名詞
と書いたのですが、これはクルミの実についてのことのようです。

クルミの木や、クルミの木の色は、男性名詞だそうです。
(伊和中辞典 <2>. 小学館, 2004年)

あらためて書きますと次のようになります。

noce [名](男)
 1 クルミの木
 2 クルミの木の色

noce [名](女)
 1 クルミ
 2 〔植〕堅果
 3 クルミ状のもの


日本語でも「クルミの木」と「クルミの実」を分けずに「クルミ」と呼ぶように、イタリア語においても、木も実も「noce」(ノーチェ)と呼ぶようです。
ただ、木の場合は男性名詞、実の場合は女性名詞、という区別のようですね。

クルミ科の特徴

クルミ科の木は、全部で約60種もあるそうです。(*1)

クルミの種類については別の記事にするとして、今回は、クルミ科に共通する特徴についてまとめます。

特徴①:クルミ科は温帯な地域に分布


クルミ科は、北米、南米、ヨーロッパ南東部・南西部、日本、東南アジアの温帯な地域に自生しているそうです。
日本にも分布しているとは知りませんでした。


特徴②:クルミ科は落葉性


クルミ科は落葉性
の植物、つまり葉っぱが落ちる木です。
図鑑(*1)には「ほとんどが落葉性の樹木」とあり、中に葉っぱが落ちない種類もあるように読み取れます。

しかし、この図鑑に載っている8種類のクルミ科の樹木は、すべて「落葉性」と書かれています。

葉っぱが落ちない種類があるかどうかは追って調査することにします。


特徴③:クルミ科の葉っぱは「互生」して羽状複葉


図鑑(*1)には「葉はふつう『互生』して羽状複葉」と書かれています。

「互生」ってなんだ?

互生:植物の葉が、茎の一つの節に1枚ずつ方向をたがえてつくこと。
ブリタニカ国際大百科事典

へ〜。

葉っぱのつきかたのことを「葉序(ようじょ)」と言うそうです。
互生の他には、一つの節に2枚の葉をつける「対生(たいせい)」、3枚以上の葉をつける「輪生(りんせい)」があるとのこと。

は〜、知らんかった。

これがクルミの葉っぱです。

(写真はオニグルミの葉っぱ。楕円形ドットコムさんより)

このように羽のような形をした葉っぱが複数「互生」しているのがクルミ科の特徴だそうです。


特徴④:クルミ科の花は小さく、花弁はない


このサイト(笠間日動美術館)にある写真をみるとわかりますが、雌花は小さく赤い花で上に向かって咲き、雄花は黄緑色で尾状に下に垂れ下がっています。
おもしろいですね。

雌花と雄花は同じ株につきます。

花弁(花びら)はないそうです。



特徴⑤:樹高は8〜30mにもなる


木の高さ(樹高)はWikipediaには、8mから20mに及ぶとありますが、図鑑(*1)には10〜30mと書いてあります。

30mといったら10階建てのビルです。相当に高く成長するんですね。

ちなみに、木の形は、「広円柱形」「横広がり形」のどちらかです。


今日もクルミについて勉強になりました。

〔主な引用・参考文献〕
*1) アレン・コーンビス(1994). 浜谷稔夫(訳). 完璧版 木の写真図鑑―オールカラー世界の高木500. 日本ヴォーグ社.

クルミという植物の分類

クルミという植物とは、どういうものなのか?
手っ取り早くWikipediaで調べてみると…
  • 界     :     植物界
  • 階級なし     :     被子植物
  • 階級なし     :     真正双子葉類
  • 階級なし     :     バラ類
  • 階級なし     :     マメ類
  • 目     :     ブナ目
  • 科     :     クルミ科
  • 属     :     クルミ属
となっています。

「界」は植物界。そりゃそうだ。
 (この「〜界」って呼び方はなんだかカッコイイ)
「類」のところはいくつか種類があるようです。
「科」のところで「クルミ」という種類に分類されています。

「属」はWikipediaには「クルミ属」しか載っていませんが、事典(※1)で調べてみますと、
  • クルミ属
  • サワグルミ属
  • ノグルミ属
 の3つの「属」に分かれるようです。


また別の図鑑(※2)を見てみますと、クルミ科には、「7属60種」があると書かれていますので、上の3つ以外にも「属」が分かれるようですが、この図鑑にはそれ以上は載っていませんでした。

うーん、モヤモヤする。


もう一度、別のWikipediaで調べてみると…

「クルミ科の現存種は下記の亜科、族、亜族、に分類されると考えられている」。

    ・ロイプテレア亜科
        └ロイプテレア属
    ・エンゲルハルディア亜科
        └アルファロア属
        └エンゲルハルディア属
        └オレオムッネア属
    ・クルミ亜科
        └ノグルミ族
               └ノグルミ〔註:「ノグルミ属」のことか〕
        └クルミ族
             └ペカン亜族
                  └ペカン属
                  └アッナモカルヤ属  (しばしばペカン属に含められる)
             └クルミ亜族
                  └キクロカルヤ属
                  └クルミ属
                  └サワグルミ属

わー、いっぱい出てきた!

数えると 「3亜科」「2族」「2亜属」「10属」あるようです。

一応、これが最も細かい分類かな。
 動植物の分類は複雑なので事典や図鑑によって載ってる情報も違いますね。

 ひとくちに「クルミ」と言ってもこんなに細かくいろいろ分かれるんだと、初めて知りました。

クルミの種類についてはまた別の記事にしたいと思います。

 〔引用・参考文献〕
※1 佐竹義輔他編(1999). 日本の野生植物 新装版 木本I. 平凡社.
※2 アレン・コーンビス(1994). 浜谷稔夫(訳). 完璧版 木の写真図鑑―オールカラー世界の高木500. 日本ヴォーグ社.

2019年9月7日土曜日

noceを使ったことわざ

「クルミ」はイタリア語で「noce(ノーチェ)」です。

 「noce」を使ったことわざがあったのでご紹介します。

〔諺〕Una noce sola non suona in un sacco.


直訳すると、「クルミ1個では袋の中で音を立てない」という意味です。

そこから転じて、
  • 「一人は立たぬ」 

  • 「仲間がいてこそ力は発揮できる」 

という意味で使われるそうです。
(出典:伊和中辞典 <第2版>. 小学館, 2004年)

私たち一人ひとりは小さな存在ですが、仲間といると、本来の力をいっそう発揮しやすくなります。

とてもいいことわざですね。


イタリア語のnoce(クルミ)

私がいる「株式会社ノーチェ」という会社の「ノーチェ」とは、
イタリア語でクルミを意味する「noce」から命名されました。

クルミの勉強の手始めに、 まずはnoceについて調べたいと思います。

noceをイタリア語辞典で引いてみると・・・
noce [名](女)
 1 クルミ
 2 〔植〕堅果
 3 クルミ状のもの
 とあります。(伊和中辞典 <2>. 小学館, 2004年より)

クルミはイタリア語で女性名詞なんですね。(補足はこちら

さて、 3の「クルミ状のもの」いうのは・・・
  • くるぶし  noce del piede
  • のどぼとけ noce del collo
  • 子牛もも肉の上部、ともぐり noce di vitello
  •  球状にしたバター noce di burro
  • 謔〕小舟 guscio di noce  
くるぶし のどぼとけ って、確かに丸くて硬くてクルミ状ですね。
なるほど〜。

球状にしたバター を画像検索したら、バターをクルクルと巻いて球状にしてある写真がありました。
 http://nocediburro25.blogspot.com/

なんてかわいいバターでしょう!


ごあいさつ

はじめまして。
カウンセラー(臨床心理士)の北嶋聡史と申します。
企業のメンタルヘルス対策を支援する会社「株式会社ノーチェ」という会社にいます。

この「ノーチェ」というのはイタリア語で「くるみ」という意味です。

…が、実のところ、私は「くるみ」についてこれまでよく知らないままでした。

  • 普段食べてるくるみって、タネの部分だよね? 実の部分ってどんな形なの?
  • くるみって、日本でもたくさん栽培されているの?
  •  くるみって、どんな種類があるの?
  •  チャイコフスキーの『くるみ割り人形』ってどういう話だっけ?

…などなど、知らないことばかり。
 
「くるみ」から命名された社名なのに、全然知らないのはいかん!
 くるみについてもっと学びたい!

…というわけでこのブログを作りました。

日々、私がくるみについて調べたことを、ときどき記事にしておきたいと思います。


会社の仕事の話はしません。

読んでくださった皆さんにも、くるみについて興味を持ってもらえるといいな、と思います。

おつきあいのほど、どうかよろしくお願いいたします。