前回は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』におけるクルミについての論文をご紹介しました。
スマートフォンのゲームに『クロスロゴス』というアプリがあるのですが、
「ラッコのジョバンニ」というキャラクターがいます。
必殺技は「銀河のクルミ割り」。
同ゲームにおいて相手のマスを2マス分破壊するので「クルミ割り」とのこと。
『銀河鉄道の夜』のジョバンニは、「らっこの上着」のことでザネリや友人にいじめられるシーンが描かれていますので、そこから「らっこのジョバンニ」というキャラが創られたようです。
こちらのブログによれば、『銀河鉄道の夜』の第三稿では、
「なぜならジョバンニのお父さんは、そんならっこや海豹をとる、それも密猟船に乗っていゐて、それになにかひとを怪我させたために、遠くのさびしい海峡の町の監獄に入ってゐるといふのでした。」とあり、 それがいじめの要因になっているようです。
また、『銀河鉄道の夜』には生物種の階層性があり、人間に近い獣の毛皮を取るという行為に対する煩悶が、ジョバンニをいじめる友人たちに認められるとのことです。
〔引用・参考文献〕
・宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の深層世界を探訪する . 「23) いじめと差別の構造」.
http://oryzajpn.com/archives/3034072.html
・スマートフォン向けゲームアプリ『クロス×ロゴス』公式サイト
https://crossxlogos.com/
(追記)
紹介した「クロスロゴス」は2月27日にサービス終了したとのことです。
「ことばのパズル『もじぴったん』」の作者がディレクターを務めた、とてもよくできたゲームで私もしばらくハマっていたので、突然のサービス終了は残念です。
楽しい時間をありがとう。